アレルギー性結膜炎
アレルギー性結膜炎
結膜とは、白目の皮のことで、上下まぶたの裏側と眼球の表面を被う薄い透明な膜のことです
結膜に起きている炎症が、「結膜炎」です
アレルギー反応による結膜炎＝「アレルギー性結膜炎」について説明します
【アレルギー反応とアレルゲン】
細菌やウィルスなどの外敵から体を守るためのシステムを「免疫」（めんえき）といいます
免疫反応では、体に侵入した細菌やウィルスを「異物（外敵）」と判断して攻撃し、体を守ります
しかし、免疫反応が過敏になると、通常は「外敵」と認識されないような物質や、自分自身の体の一部を「異物（外敵）」とみなして攻撃することがあります
これらを「アレルギー反応」といいます
そしてその原因となる物質（アレルギー誘発物質）を「アレルゲン」といいます
【アレルギー性結膜炎】
アレルギー性結膜炎は、何らかのアレルゲンが目の表面に付着して、アレルギー反応を起こしている状態です
即時型（そくじがた）アレルギー（Ⅰ型（いちがた）アレルギー）といわれるもので、アレルゲンに触れて１０分程度で症状がでます
【アレルギー性結膜炎の症状】
目のかゆみ
充血
ひどくなると、目やにが増える
白目が「水ぶくれ」のように腫れる
まぶたの裏の粘膜に、小さなブツブツ（乳頭）が多数できる
【アレルギー性結膜炎の原因】
アレルギーの原因（アレルゲン）には…
スギやヒノキ、ブタクサなどの花粉
ある種のカビ
空気中のホコリ（ハウスダスト）
家の中のダニ
などさまざまなものがあります
同じ季節に決まって症状が出る場合は花粉
特に決まった季節がない場合はハウスダストやカビ、ダニなど屋内環境
によるものが考えられます
呼吸器病や皮膚炎などと違って、目のアレルゲンを厳密に特定することは困難です
ただ、血液検査でアレルゲンが判明する場合もあります
※ご相談ください※
必要に応じてご相談の上、当院で血液検査をすることも可能ですが、アレルゲンが必ず判明するとは限りません
【アレルギー性結膜炎になりやすい人】
アレルギー性鼻炎やドライアイのある人
コンタクトレンズを使用している人（コンタクトレンズに付着した汚れなどが原因）
【アレルギー性結膜炎の治療】
①抗アレルギー点眼薬を点眼
※抗アレルギー点眼薬には副作用はほとんどありません
②改善しなければ、ステロイド点眼薬か、免疫抑制剤の点眼液を併用
※ステロイド点眼薬には緑内障や白内障などの副作用があります
※ステロイド点眼薬や免疫抑制剤点眼薬は、ウィルス感染症を助長することがあります
注意‼
ステロイド点眼薬や免疫抑制剤点眼薬を使用する場合は、決められた通りに眼科を受診してください
また、気になることがあれば、担当医に相談しましょう
※その方の目の状態などによって、治療を別医療機関へ紹介する場合もあります※
≪ドライアイもある場合≫
ドライアイの治療も行う
≪コンタクトレンズ装用者の場合≫
可能であれば、１～２週間コンタクトレンズ使用を中止する
コンタクトレンズに付着している汚れや、保存ケースの汚れが原因のこともあるため、レンズや保存ケースを新しく変えるとよい場合もある
コンタクトレンズケア用品の溶液がアレルギー性結膜炎の原因のこともあるので、自分がどの製品を使っているのか把握し、担当医に伝える
※治療方法については個人差がありますので、担当医にお尋ねください※
【アレルギー性結膜炎の治療の注意点】
アレルゲンと接触すると再発するので、可能性のあるアレルゲンとの接触は可能な限りさけましょう
ただ、目に入ってくるアレルゲンは遮断できない場合も多いので、人工的な涙液（人工涙液点眼薬）で目の表面を洗うことも有効なようです
※その場合は、防腐剤フリーのものを使用してください※
市販のアイカップ型の洗眼剤を使用することは、まぶた周囲の汚れ、まぶたやアイカップに付着したアレルゲンが目に入ってくる可能性があるので、使用には注意が必要なようです
参考文献
「眼科インフォームド・コンセント ダウンロードして渡せる説明シート」2018
監修 下村嘉一 編著 國吉一樹
2020/12/15
