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子どもの斜視

子どもの斜視(しゃし)

 

斜視とは…

通常、人は両目とも同じ方向を向いています

右目と左目が違う方向を向いている状態を斜視といいます

 

【斜視の問題】

 

①視力の発達が悪くなる(=弱視(じゃくし))

 

生まれたばかりの赤ちゃんは、ものの形もよくわからず、明暗程度しかわからない

視力は10歳ごろまでに徐々に発達しますが、きちんと目を使えていないと、視力の発達に影響がでます

 

②立体視ができない/遠近感がわからない/物が2つに見える(=複視(ふくし))

 

片目でものを見ても立体的に見えません

両目を同時に使って見ること(=【両眼視(りょうがんし)】)で、ものが立体的に見え、遠近感がわかります

立体視が弱い場合は、ものが2つに見えたり(=複視)、立体的なものが平面的に見えたりします(※1)

(※1 立体的なものが平面的にみえるのは、斜視眼でみたものを、無意識的に見えなく「無視」しているからです(=専門用語で「抑制がかかる」)

立体視は2歳ごろまでに発達するといわれています

立体視が、斜視などのなんらかの原因によってできない人もいます

立体視のない状態で子どもの頃からずっと生活をしていると、日常生活に不自由がなかったり、自分にハンデがあることを感じないかもしれません

しかし、立体視が弱かったり、できない場合には、大型免許を取ることができなかったり、たとえば医師だと手術が難しいなど、将来の職業に影響がでる可能性があります

そのため、斜視を治して立体視を獲得するに越したことはないと思います

眼科で検診を受け、適切な訓練を受けることが大切です

逆に立体視(両眼視)が発達した後に斜視が出現すると、ものが2つに見えます(=複視)

これは、状況によっては非常に不便を感じます

 

③外見的、美容的な問題

 

④疲れやすい

 

お子さんの斜視に気が付いたら、放置せずに、まずは、お近くの眼科を受診してみましょう

斜視の状態の程度によって、近隣医で診れることもありますし、斜視治療に強い病院の受診を勧められる場合もあると思います

 

【斜視の原因と分類】

 

共同性斜視…目を動かす筋肉(外眼筋(がいがんきん))に麻痺がない斜視

 

麻痺性斜視…目を動かす筋肉(外眼筋(がいがんきん))に麻痺がある斜視

 

子どもの斜視のほとんどは、共同性斜視です

もし麻痺性斜視が疑われた場合は、外眼筋や脳神経に障害や病気がないか、精密検査が必要です

 

【子どもの外斜視(がいしゃし)】

 

外斜視とは…片方の目が外にズレている状態

子どもの外斜視で最も多いのが「間欠性外斜視(かんけつせいがいしゃし)」です

間欠性となっているように、常に斜視になっているわけではなく、まっすぐ普通の目線になっているとき(=外斜位がいしゃい)、ズレているとき(=外斜視)があります

 

常に目の向きがズレている場合ですと、「斜視」だと気が付きやすいですが、

【間欠性外斜視】の場合は、

まっすぐ普通の目線になっている時もある(斜視の状態に見えない時がある)ので、

ご家族のふとした気づきによって見つかることもあります

「なんだか目の向き(位置)がズレる時があるな」とご家族や周囲の人の気づきがあれば、

眼科受診をおすすめします

 

間欠性外斜視では、まっすぐ普通の目線の時は両眼視ができているので、例外はありますが、視力や立体視の発達に問題がないようです

間欠性外斜視を治すには手術が必要ですが、再発することも多いようです

手術は、年長になってから受けたほうが再発は少ないといわれていますが、症状は個人差がありますので手術を受ける時期は担当医とよく相談してください

間欠性外斜視では、まれに、「まっすぐ普通の目線になっている」ときがなくなり、常に外斜視の状態になることがあります(=恒常性の外斜視)

この場合は早急な手術が必要になることもあります

そのため、間欠性外斜視があってすぐに手術を考えていない場合でも、定期的な眼科受診は必要です

頻度は低いですが、生後すぐから恒常性の外斜視が見られる場合もあり、目の病気の有無や弱視の合併に注意が必要です

 

【子どもの内斜視(ないしゃし)】

内斜視(目が内側にズレる)

 

①遠視による内斜視(=調節性内斜視)…

誰でも近くのものを見るには目に力を入れてピントを合わせ、「寄り目」になります

※目に力を入れてピントを合わせること=調節

 寄り目になること=輻輳(ふくそう)

 調節と輻輳は同時に起こる

遠視があると、遠くを見る時でさえ、「調節」する必要があり、その結果、同時に「輻輳」します→輻輳する=寄り目になる、つまり内斜視になる

遠視があるとすべてが内斜視になるわけではなく、調節と輻輳のバランスが悪いとおこります

調節性内斜視の治療は、まず遠視を矯正する眼鏡をかけることです

眼鏡をかけることで斜視が治ることもあります

 

②生まれつき目が内向きについている内斜視(=先天性内斜視)…

代表的なものは、生後6か月以内に発症する「乳児内斜視」です

両眼視(ものを立体的に見たり、遠近感をつかむために必要)の発達は2歳ごろまでなので、早期に手術を行うことがあります

ただし、手術の適応症例は限られるようです

乳幼児斜視の他にもさまざまなタイプの内斜視があり、他の眼疾患や弱視を合併していることがあります

 

③後天内斜視

後天的に発症する内斜視

後天内斜視は複視(ものが2重に見える)を自覚することが多く、脳を含めて原因精査が必要です

 

【上下斜視…下斜筋過動(かしゃきんかどう)】

 

生まれつき下斜筋(=眼球を支えている筋肉の一つ、目を上に向ける筋肉)の力が上斜筋(目を下に向ける筋肉)よりも強いことがある→眼球が上を向いてしまう

これを、下斜筋過動といいます

下斜筋過動は単独でも見られますが、多くは他の斜視に合併しています

両眼視に影響する場合や美容的な問題があれば手術をすることがあります

 

【偽斜視(ぎしゃし)…斜視のようで斜視でない】

 

実際は斜視ではないのに、両目の間が広いために内斜視のように見えるものを偽斜視といいます

偽斜視は成長とともにだんだんと斜視には見えなくなってきますが、偽斜視のように見えても本当の斜視のこともまれにありますので注意が必要です

 

【斜視の治療】

 

①眼鏡をかける

裸眼視力が悪く、眼鏡が必要であれば処方します

眼鏡はつけたり外したりせず、起きている間はずっとかけます

(調節性内斜視は眼鏡だけで斜視が治ることがあります)

 

②手術

斜視は手術をしなければ失明するという疾患ではありません

しかし、良い視力と立体視(両眼視)を獲得するために手術が必要な場合があります

 

③訓練

訓練が必要になるのは、一部の間欠性外斜視だけで、訓練の適応は限られます

 

どの治療法になるかは、病状によってかわります

担当医とよくご相談ください

 

 

斜視の手術について詳しくは別項目をご参照ください

成人の斜視については別項目をご参照ください

 

参考文献

【眼科インフォームド・コンセント ダウンロードして渡せる説明シート】2018

金芳堂 (監修)下村嘉一 (編集)國吉一樹

 

2020/09/14記

 

 

 

 

 

 

 

 

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