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弱視の治療

弱視の治療

 

【弱視の治療は10歳ごろまで】

 

視力の発達は10歳ぐらいで終わるため、弱視治療はその前にする必要があります

10歳を超えて治療しても、視力は上がりません

弱視の治療は、「利き手でない左手で字を書いたりボールを投げたりする訓練」に例えることができます

始めるのが早ければ早いほどその効果は高くなるのです

そして強い決意で臨まなければ、克服は困難であるという覚悟が必要です

強い屈折異常、不同視、斜視、形態覚遮断(※「弱視」の項目参照)などで、視力の発達の時期(10歳くらいまで)に目をきちんと使ってなければ、視力の発達ができません

「ピントをきちんと合わせた状態できちんと目をつかうこと」で視力を発達させていくのです

 

 

【弱視治療の目標は、視力の向上両眼視(りょうがんし)の獲得

 

弱視の原因、種類によっては、視力は向上したものの両眼視ができない、

もしくは、視力も両眼視も悪いままということもあります

両眼視とは…

両目でものを見ることで、ものが立体的に見え、遠近感がわかります

片目だけで見ると立体的に見られず、遠近感はわかりません

両目を同時に使ってものを見ることを【両眼視】といいます

両眼視が発達するためには、①両目とも良い視力であること②両目とも同じ方向を向いていること③両眼の屈折度(近視、遠視、乱視の度数の左右差)に大きな差がないことが必要です

 

【弱視治療のスタートは眼鏡】

 

遠視や近視、乱視があれば眼鏡をかけます

これは成人がかける眼鏡とは違い、弱視の治療の根幹をなすものです

治療のための眼鏡です

起きているときはずっとかけておくことが必要です

 

【弱視治療で、視力の発達に左右差があれば遮蔽治療(しゃへいちりょう)へ】

 

視力の発達に左右差があれば、良いほうの目を隠して(遮蔽して)、弱視の目を強制的に使わせる治療(=「遮蔽治療」)をおこなうことがあります

遮蔽治療を先ほどの左手を使う訓練に例えると、「利き手である右手にギブスを当てて、左手だけを強制的に使うようにする」ということです

ギブスを当ててでも強制的に右手を使わないようにしないと、結局左手は使わないということです

良いほうの目の遮蔽には、通常、皮膚に貼る「アイパッチ」という目隠しを使います

他の遮蔽の方法には、眼鏡に装着する半透明のシール(パッチワークス)や、ぼやけた見え方になる目薬(アトロピン点眼薬)もあります

遮蔽の時間、期間は、年齢や弱視の程度により変わってきます

1日数時間の子も、1日中遮蔽の子もいます

期間は最短で半年、長いと3年に及ぶこともあります

最終的には、アイパッチを外したままでも弱視眼が良い視力(=眼鏡視力で1.0以上)をずっと保てることが目標です

ただし、目の持っている力が弱くて視力が1.0に達さないこともあり、限界と判断すれば、遮蔽治療を途中で中止することもあります

※遮蔽治療の合併症

①良いほうの目(健眼)の視力低下...

この場合は、遮蔽する時間の短縮や中止により元の良い視力に戻ることがほとんどです

②斜視の悪化、出現…

まれに、遮蔽治療を中止しても改善されない場合は、手術が必要になることもあります

家庭では※アイパッチを外したときの目の位置に注意してください※

③行動の制限…

見えにくい弱視眼だけで行動することになります

治療開始当初は特に注意が必要です 

ただ、子どもは慣れるのが早いです

④心理的影響、ストレス、幼稚園、保育所、学校での周囲との関係…

保育所や幼稚園、学校の先生に治療内容をよく説明し、理解、協力を得るのが大切です

順調に見えても、周囲が思っているより本人にストレスがたまっていることがありますので、ときどき本人に状況確認が必要です

⑤かぶれ、かゆみ…

アイパッチに使用している接着剤にかぶれることがあります

アイパッチの種類を変える、貼り方の工夫や、塗り薬を使用するなどの方法がありますので、担当医にご相談ください

 

 

 

【弱視治療のゴールも眼鏡】

 

弱視治療は眼鏡に始まり眼鏡に終わります

子どもの弱視治療用の眼鏡は【枠】(フレーム)の選択が重要です

枠があってなくて眼鏡がずれていると、レンズの真ん中を通してみることができず治療効果が減弱します

子どもはすぐ大きくなり、目の度数も成長とともに変わります

眼鏡は安いものではありませんが、子どもにとっては一生使う、たった二つの「目」です

必要に応じて、レンズやフレームを新調していきましょう

遮蔽治療が終了した後も、眼鏡は一生必要です

弱視を治すことができても、遠視や近視、乱視を治すことはできないからです

 

※特殊な事情を除き、自分でコンタクトレンズの管理ができない小さな子どもには、コンタクトレンズでの治療は適していません

コンタクトを自分で管理できるようになっても、度のあった眼鏡は必ず持っていてください

目の調子が悪いときはコンタクトレンズは使えないからです

 

弱視治療を眼鏡でするにしても、遮蔽治療と並行するにしても、眼科への定期通院は必須です

眼鏡を作ったから終わり、アイパッチを始めたからが眼科へ行かなくてよいということではありませんので、

眼科に指示通り定期的に通院して経過を診てもらうようにしましょう

 

弱視については別項目をご参照ください

 

 

参考文献

【眼科インフォームド・コンセント ダウンロードして渡せる説明シート】2018

金芳堂 (監修)下村嘉一 (編集)國吉一樹

 

2020/09/14記

 

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