メニュー

眼瞼けいれん(目を閉じてしまう・目を開けているのがつらい)

眼瞼けいれん(がんけんけいれん)

 

【眼瞼けいれんとは…?】

 

【眼輪筋】(がんりんきん)(眼瞼(=まぶた)周囲の筋肉)などが無意識的に強く収縮する疾患です

自分の意思で特定の筋肉をコントロールできない「局所ジストニア」という病気の1種と考えられています

眼瞼けいれんは、「まばたきが下手になる病気」です

 

 

【眼瞼けいれんの症状】

 

間欠性(時々発症する)のものと持続性のものがあります

いったん発症すると、自分で目を開けられなくなります

⇒歩行中や自動車運転中に発症すると、転倒したり事故を起こしたりすることがあります

 

(症状例)

 まぶしい

 目を閉じてしまう

 目を開けているのがつらい

 目が乾く

 目が痛い

⇒ドライアイの症状と類似していて、ドライアイと誤診されることもあるようです

(ただし、ドライアイを合併していることもあります)

 

 自分でうまく「まばたき」できない

 速い「まばたき」ができない

 規則的な「まばたき」ができない

 

⇒治療せず放置して重症化すると、目を開けることができない機能的失明状態になることも

 

 

【眼瞼けいれんの原因】

 

眼瞼けいれんには特発性のものと続発性のものがあります

①特発性…

原因不明

50~60歳前後の女性に多くみられる

 

②続発性…

何らかの病気に関連して発症するもの

睡眠薬や抗うつ薬などの向精神薬の連用で起こる薬剤性のもの

高齢者のパーキンソン病に合併するものがある

 

 

【眼瞼けいれんの治療】

 

眼瞼けいれんに対する治療の第一選択はボツリヌス治療(※1)です

ボツリヌス治療には、限界や合併症(副作用)(※2)があります

ほとんどの患者さんで、治療後3~4か月で効果はなくなり、数か月ごとに繰り返し注射を行う必要があります

初回の注射だけでは効果があまりない人でも数回注射を反復すると効果がでる場合があるようです

ボツリヌス治療を希望しない場合や効果が不十分な場合には、遮光レンズまたはクラッチ眼鏡(※3)あるいは併用が効果的なようです

また、重症の場合には眼瞼の手術を行うこともあります

※この治療は当院では実施しておらず、別医療機関への紹介となります※

 

(※1)ボツリヌス治療

A型ボツリヌス毒素製剤(Botoxボトックス®)の注射

保険適用が認められている

ただし、根治療法ではなく対処療法

どこの眼科でもボツリヌス治療を行えるわけではない

(ボトックス®講習・実技セミナーあるいはWEBボトックス®講習・実技セミナーを受講して資格を取得した医師のみ)

※重要※受診する眼科にお問い合わせください

 

(※2)ボツリヌス治療の副作用

しばしば顔の表情が不自然になる

目の下に隈(くま)ができる

顔を洗う時に石けんが目に染みる

上まぶたが下がって瞳にかかる「眼瞼下垂」(がんけんかすい)を起こすことがある

目を動かす筋肉に作用して物が2重に見える「複視」を起こすことがある

まばたきが浅くなり、ドライアイ症状が強くなり、黒目にキズができたりすることがある

⇒ただし、ボツリヌス治療の薬剤の効果は数か月で切れるので副作用も時間とともに改善する

 

(※3)クラッチ眼鏡

眼瞼下垂矯正めがね

眼鏡に、上まぶたを持ち上げる器具がついたもの

※この治療は当院では実施しておらず、別医療機関への紹介となります※

 

 

眼瞼けいれんは、ときに重症化すると、目を開けることができなくなり、仕事や日常生活に大きな支障をきたすことがあるので注意が必要ですね

 

 

参考文献

【眼科インフォームド・コンセント ダウンロードして渡せる説明シート】2018

 金芳堂 (監修)下村嘉一 (編集)國吉一樹 

 

2020/11/6

 

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME