多焦点眼内レンズ手術
現在も白内障手術で広く用いられている従来型の単焦点眼内レンズでは、レンズ特性上1点にしか焦点が合わず、多くの場合、近くを見る為には眼鏡が必要でした。
しかし現代では何歳になっても、趣味やスポーツや仕事などを行う事が十分可能な時代であり、患者さんお一人お一人の生活のスタイルを尊重し快適な生活を送る上で、視力、特に裸眼視力の向上は重要度を増してきました。
この夢を実現させることが出来る眼科手術が、「多焦点眼内レンズ水晶体再建手術」です。
ふつうの眼内レンズ(保険診療対応)
ピントを合わせる調整力がないため、遠くに合わせると近くが見えなくなり、近くに合わせると遠くが見えなくなります。手元を見る時にはピントが合いませんので、近用眼鏡が必要になります。
多焦点眼内レンズ
多焦点眼内レンズは近くと遠くの両方にピントを合わせる事ができます。写真のように、近くのパンフレットや遠くの看板の両方にピントが合うようになります。ただし、多焦点といっても実際は遠近2焦点レンズですので、中間距離(テーブルの上のポットなど)は少しぼやけた感じになります。また、近年では遠く、近くに加えて中間にもピントのあう「3焦点レンズ」が主流になっています。多焦点レンズには、国内で承認されている選定療養のレンズと、国内未承認の自由診療レンズの2種類のカテゴリーがあります。
「選定療養レンズ」とは
R2.4月に先進医療から外れた多焦点眼内レンズは、現在は選定療養(保険部分と自費部分の混合診療の一種)で対応しております。
選定療養のレンズ価格はレンズ種類により220,000円~385,000円(税込み)となります。詳しくはスタッフにおたずねください。なお、手術費用の総額は保険診療でカバーされる手術費用と、選定療養の差額レンズ費用の合計となります。例えば3割負担の方が220000円のレンズを選択すると、手術費用およそ45000円と、レンズ費用220000円の合計265000円となります。
多焦点眼内レンズの種類 | 金額 ※片眼 |
クラレオンパンオプティクス (通常) |
330,000円(税込) |
クラレオンパンオプティクス (トーリック) |
385,000円(税込) |
テクニスシナジー (通常) |
330,000円(税込) |
テクニスシナジー (トーリック) |
385,000円(税込) |
テクニスマルチフォーカル | 220,000円(税込) |
テクニスシンフォニー(通常)
テクニスシンフォニー(トーリック) |
220,000円(税込)
253,000円(税込) |
クラレオンビビティ |
330,000円(税込) |
【多焦点眼内レンズ手術をされた患者さんからのコメント】
●68歳:男性の患者さんから
多焦点眼内レンズ(オーダーメード)の費用は適正と思います。
ハッキリ見えるようになり人生を取り戻せた気がします。
手術を家族に見せて頂き家族が理解してくれ、家族も喜んでいます。
術後診察も安心できて良かったです。
先生、受付、看護師皆様が、思いやりがあって気分の良い病院でした。
「自由診療多焦点眼内レンズ」とは… その種類と特性 …
さらに当院では、国内未承認の画期的な多焦点レンズも導入しています。これが「自由診療多焦点眼内レンズ」です。
多焦点レンズ手術は、実は日本でもアメリカでもなくヨーロッパ圏が最も進んでおり、今や3焦点レンズが主流となっています。日本国内の選定療養の遠近2焦点レンズは、今やヨーロッパの学会では”clasical multifocal” つまり「古典的な多焦点レンズ」とさえ呼ばれているほどです。たくさんの3焦点レンズが欧州市場に出回っていますが、当院では院長自らESCRS(ヨーロッパ白内障屈折矯正学会)に赴き、それらの中で最新かつ最良のレンズを吟味して導入しています。
そしてこの度、世界初の5焦点眼内レンズを導入いたしました。それがイスラエルHanita社のIntensityです。この画期的な光学設計の多焦点レンズは単にピントの数が最多となる5か所になったのみならず、多焦点レンズの大きな欠点であった光学ロス(入ってきた光を無駄にしてしまう割合:これが大きいほど見え方のクオリティーが下がる)がわずか6.5%と非常に小さく、異常光視症が極端に少ないのが特徴です。
LENTIS Toric 乱視矯正用レンズ
LENTIS遠近両用眼内レンズは、ドイツOculentis社が製造している世界最高の性能を持つ最新の多焦点眼内レンズです。レンズ部分に遠方用と近方用の部分があり、遠くと近くを見ることができます。
特にLENTIS Toric(乱視矯正)レンズは今までの眼内レンズの50倍の精度、屈折度数を0.01D刻みで、ご自身の目に合わせて完全オーダーメイドで作成し、乱視も矯正可能です。
このため、レンズが届くまでに約6週間のお時間がかかります。ヨーロッパでは、CEマークを取得しており、すでに数多く使用され非常に良好な結果を得ています。
手術費用
選定療養対応 多焦点眼内レンズ(Tecnis・Symphony・Synergy)
片眼 | 両眼 |
---|---|
220,000円~385,000円(税込) | 440,000円~770,000円(税込) |
※別途保険診療の白内障手術費用がかかります。
※手術中、合併症等により単焦点眼内レンズに変更した場合、保険診療になります。
※手術後に眼内レンズ入れ替えや摘出する場合、手術費用は返金されません。
※眼鏡やコンタクトレンズによる矯正が必要になることがあります。
※別途保護メガネ代
国内未承認完全オーダーメイド 多焦点眼内レンズ(Lentis MplusToric)
片眼 | 両眼 | |
---|---|---|
Lentis MplusToric | 550,000円(税込) | 1,100,000円(税込) |
Intensity | 594,000円(税込) | 1,188,000円(税込) |
Intensity トーリック | 649,000円(税込) | 1,298,000円(税込) |
※手術に関する術後1ヶ月間の通常の診察・検査※、薬代を含む
(※屈折、視力、眼圧、精密眼底、角膜曲率半径、角膜内皮細胞顕微鏡検査、細隙灯顕微鏡検査、
網膜三次元撮影、コントラスト視力)
※ご注意:当レンズは完全オーダーメイドですので、オーダーレンズ作成費用としてあらかじめ手術費用予約金をお支払いいただきます。これは患者さんのご都合で手術をキャンセルしたり、手術中、合併症等により単焦点眼内レンズに変更した場合でも返金されません。
尚、合併症治療費は手術費用に含まれていません。
※手術後に眼内レンズ入れ替えや摘出する場合があっても手術費用は全額返金されません。
※眼鏡やコンタクトレンズによる矯正が必要になることがあります。
※別途保護メガネ代