緑内障の治療法
【緑内障の治療法】
緑内障は残念ながら治る病気ではありません
ですが、放置してしまうと失明に至ることもある深刻な病気です
『緑内障は進行性の病気で、現在あらゆる治療を行ってもその進行を完全にストップさせることはできません。また、失った視野を取り戻すことはできません。
ですから緑内障に対する治療の目的は、失った視野や視機能を取り戻すことではありません。緑内障の進行をできるだけ抑えて、人生を全うするまで生活に困らない視機能を維持することが治療の目的です。』
【眼科インフォームド・コンセント ダウンロードして渡せる説明シート】2018
金芳堂 (監修)下村嘉一 (編集)國吉一樹 より引用(p65)
治すことはできなくても、病気が見つかった時点で、
できるだけ進行を遅らせる、できるだけ視機能(視力、視野)を維持する、
ことを目標に治療をすすめていきます
緑内障の治療は『眼圧のコントロール』が大事になってきます
その方の眼の状態により目標とする眼圧の数値は変わってきます
目標とする眼圧の数値にするために、点眼治療、レーザー治療、時には手術治療と
治療方法を患者さんと相談しながら、治療がすすめられていきます
詳しい治療法については項目毎にまとめてありますのでご参照ください
どの治療法を選択するかを考える際に、目の状態、眼圧、視野、眼底などの定期的な経過観察が重要になってきます
定期検診の頻度は、お一人お一人の病状によって変わってきますが、定期通院は緑内障の治療にはかかせません
当院では、2か月に1回の定期通院の方が多いですが、病状によってもかわってきます
緑内障は一生付き合う病気です
眼科とも長い付き合いになると思いますので、ご自身が納得いく病院でぜひ定期的に通院を続けてください
※補足
『房水は最後どこに流れるの??』
眼球の中には、「房水」という水が循環しています
房水は無色透明で水より少し粘度が高くなっています
目の中の毛様体(もうようたい)で房水は作られ、後房→瞳孔→前房→前房隅角→シュレム管→強膜内の静脈といろいろな箇所を通り、眼球外に排出されます
※前房隅角(ぜんぼうぐうかく)が狭いと房水がうまく排出されずに眼圧が上がってしまう原因にもなります
房水は最後、体の中の血管、血液に排出されます
房水は最後、涙となって排出されるわけではないのです
(実は、私は勘違いしてました、、、)
房水の役目は、
①角膜内面、隅角繊維柱帯、水晶体に栄養補給をし、これらの老廃物を除去すること
②房水の産生と排出のバランスにより眼圧を維持(→排出が悪いと眼圧が上がる)
です
眼圧と房水の関係は切っても切れない関係なのですね
参考文献
【眼科インフォームド・コンセント ダウンロードして渡せる説明シート】2018
金芳堂 (監修)下村嘉一 (編集)國吉一樹
【眼科コメディカルのための 眼科学ガイド】2005
日本眼科医会 眼科医療従事者委員会
2020/8