メニュー

色覚異常

色覚異常

 

【色覚異常は…】

(せきりょく)色覚異常

(せいおう)色覚異常

に分かれます

また、

先天色覚異常(うまれつきのもの)

後天色覚異常(生まれつきでないもの 網膜や視神経などの病気により起こる)

とに分かれます

 

先天色覚異常のほとんどが色覚異常

後天色覚異常のほとんどが色覚異常

です

 

 

【色覚異常とは…】

【網膜】(=眼球の内側にはりついている薄い膜)には、目に入ってきた光を感じてこれを電気信号に変換する作用があります

この光を電気信号に変換する細胞を【視細胞】(しさいぼう)と言います

視細胞は、

明るいところで働く【推体】(すいたい)

暗いところで働く【杆体】(かんたい)

に大きく分かれます

 

【推体】には

長い波長の色に感度が高い【推体】(L推体)

中程度の波長の色に感度が高い【推体】(M推体)

短い波長の色に感度が高い【推体】(S推体)

があります

それぞれの錐体の反応をミックスしたりバランスをとったりして色の感覚(色覚)が生じます

 

色覚異常とは、色の感覚をもつ3種類の錐体のうち、いずれかの働きが弱い状態です

 

 

先天色覚異常の分類と名称

錐体

(L錐体)

錐体

(M体)

錐体

(S錐体)

杆体

 

先天

色覚

異常

1型色覚

2色覚

※1

異常

3色覚

弱い異常

※2

2型色覚

2色覚

※3

異常

3色覚

弱い異常

※4

先天

色覚

異常

3型色覚

※5

全色盲

S錐体

1色覚

※6

杆体

1色覚

※7

 

◎…錐体が正常に働いている

✖…錐体が全く働いていない

 

※1)赤錐体がない(緑錐体が働きを補う)

※2)赤錐体がない(緑錐体の変異型が働きを補う)

※3)緑錐体がない(赤錐体が働きを補う)

※4)緑錐体がない(赤錐体の変異型が働きを補う)

※5)青錐体がない

※6)錐体がS錐体のみで、全色盲で、視力も悪い(発生頻度は数万人に1人)

※7)錐体が生まれつきないので、全色盲で、視力も悪い(発生頻度は数万人に1人)

※1~4、6は性染色体劣性遺伝(発症は男性がほとんど)

※5は常染色体優性遺伝

※7は常染色体劣性遺伝

 

 

 

私は、子どもの頃、色覚検査を学校で受けたことがあります

スクリーニング検査として一斉に学校でやっていた時期をご存じの方もいますよね

ただ、色覚検査は、平成14年学校保健法施行規則一部改生の通知で必須項目から削除され全国の多くの小学校で行われなくなったようです

そのことで、自身の色覚異常の特性を知らないで不利益を受ける事例が出てくることが調査で明らかになり、平成26年4月に文部科学省から学校保健安全法施行規則の一部改正等についての通知が発出され、学校における色覚検査が適正に実地できるよう体制を整えることなどが留意事項として明記されました

それにより、学校側が学校医や教育委員会と連携の上、希望者への色覚検査の実施について適切に対応するように望まれています

(参考:日本眼科医会「学校における色覚についての対応」指針  平成28年4月1日)

 

 

色覚検査の種類】

 

①仮性同色表(かせいどうしょくひょう)

色覚異常があるかどうかを判定

数字や文字が書いてある表

代表的なもの:石原色覚検査表(先天異常(赤緑色覚異常)の検出を目的)

正常者には読めるが、異常者には読めない表や、異常者には読めるが正常者には読めない表が含まれる

小学校のスクリーニング検査で用いられることが多い

 

②色相配列検査

色覚異常の程度を判定

代表的なもの:パネルD‐15テスト

15個の色キャップを似た色から順に並べていく検査

中等度以下の異常の検出はできない(強度の色覚異常の判別ができる)

そのため、この検査ができたから、色覚が正常であるというわけではない

 

③アノマロスコープ

先天赤緑色覚異常の型分類を行う

どの施設にも設置されている機器ではない

先天赤緑色覚異常の型分類

1型色覚、2型色覚に分けることができ、2色覚、異常3色覚の診断が可能

(3型色覚(青黄色覚異常)は診断できない)

※当院ではアノマロスコープの検査は実施してません※

 

 

色覚検査は個人差はありますが、5歳くらいから可能なようです

しかし、小さいお子さんの検査は、精度にかけて、結果の判定が難しいこともあるので、成長後に再度検査を受けるとよいようです

 

【先天色覚異常】と【後天色覚異常】については、別記事をご参照ください

 

 

 

参考文献

【眼科インフォームド・コンセント ダウンロードして渡せる説明シート】2018

金芳堂 (監修)下村嘉一 (編集)國吉一樹

 

 

 

 

2020/10/08  

 

 

 

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME