飛蚊症
飛蚊症(ひぶんしょう)
目の中にあるゼリー状組織(硝子体)に濁りが生じると、その影が眼底に映り、目の前にたくさんの蚊が飛んで見えることがあります
それが【飛蚊症】です
「小さな黒い点が見える」
「黒いのが飛んでいる」
などの症状で、眼科にかかる方が多いです
硝子体は目の動きにつられてゆらゆら動くので、飛蚊症も眼を動かすとあちこちに動き回ります
硝子体のにごりは、ゼリー状の組織である硝子体が溶けて縮んだ時(=後部硝子体剥離(こうぶしょうしたいはくり))に起こることが多いです
これは、加齢に伴って起きる生理的現象であり病気ではありません
飛蚊症には生理的なものと病的なものがあります
生理的なものは治療が必要ありません(ほとんどが生理的飛蚊症です)
生理的飛蚊症は、近視が強い人ほど早くから始まります
しかし、生理的飛蚊症が始まったときは『網膜剥離』が起こりやすい時期なので、しばらく目の状態に注意が必要です
※網膜剥離(もうまくはくり)…
網膜がはがれ、視野の一部が欠ける
痛みはない
もし、「飛蚊症」が急に悪くなった時(=黒い点が急激に増えたなど)は眼科を受診してください
病的な飛蚊症では、
網膜剥離の始まりとして飛蚊症が現れる場合、
目の炎症が出た時や出血があるときにも飛蚊症がでる場合があります
このような場合では、飛蚊症の原因となっている病気を治療する必要があります
もし、飛蚊症を自覚したときに、生理的飛蚊症なのか、病的な(病気が隠れている)飛蚊症なのかは、
自己判断できません
かかりつけの眼科にご相談くださいね
眼科受診の際に注意していただきたいことがあります
↓
【飛蚊症】が気になって眼科受診をする場合は、散瞳検査(さんどうけんさ)といって、瞳孔を目薬で大きくして、眼底部を詳しく見る検査が行われる可能性があります
検査により目が散瞳状態になりますと、その間(4~5時間)は光がまぶしく感じたり、近くが見えづらくなります(いつもと見え方が変わります)
お帰りの際は、自転車、バイク、車などの運転ができなくなりますので、ご注意ください
参考文献
【眼科インフォームド・コンセント ダウンロードして渡せる説明シート】2018
金芳堂 (監修)下村嘉一 (編集)國吉一樹
2020/09/14記