メニュー

翼状片(黒目の上に白目が伸びてくる)

翼状片(よくじょうへん)

 

白目(結膜)と黒目(角膜)の境目を見た時に

もし白目側から黒目を覆うように、白い膜のようなものが伸びていたら

それは、翼状片(よくじょうへん)かも知れません

今回は、【翼状片】について説明します

 

 

 

【翼状片とは】

白目(結膜)と黒目(角膜)の間には細胞レベルで境目があります

そのため、結膜は角膜の上に伸びてきません

しかし、何らかの原因で角膜と結膜の境目が障害されると

結膜が角膜の上に伸びてくることがあります

この状態を【翼状片】といいます

翼状片の多くは角膜の鼻側から生じます(まれに耳側から生じることもあります)

 

【症状】

結膜が角膜の中央に向けて伸びてくる(長い年月をかけてゆっくりと)

充血(翼状片は血管が豊富なため、充血し美容上問題になることがある)

異物感(翼状片が分厚い場合)

 

≪進行すると…≫

視力低下(翼状片の先端が角膜の中心近くまで達すると、乱視が強くなるため)

視野が狭くなる

目の動きが悪くなって一つのものが二つに見える(=複視

 

【なぜ翼状片になるのか?】

翼状片の原因、なぜ発生するのかは、まだよくわかっていないようです

赤道に近い地域に発症率が高いため、紫外線による角膜障害が原因ではないかといわれてきているようです

他に、目の表面の慢性的な炎症も原因の一つとして考えられています

 

【治療について】

翼状片の治療は『手術』です

ただ、症状がないうちは手術の必要はありません

進行して視力低下、視野障害、複視などの症状が出てきたら、手術で切除する必要が出てきます

※当院で実施している手術です※

※目の状態などにより別医療機関への紹介となる場合があります※

 

【翼状片の手術】

手術は局所麻酔で行われます

翼状片を切除して、その欠損部を結膜で覆います

①結膜有茎弁移植(けつまくゆうけいべんいしょく)

…翼状片切除部の近くから結膜を切り取ってきて覆う方法

②結膜遊離弁移植(けつまくゆうりべんいしょく)

…翼状片切除部と異なる場所から結膜を切り取ってきて覆う方法

 

再発防止のためにマイトマイシンCという抗がん剤を希釈して、翼状片切除部に使用することがあります

※治療方法や術式は、個人差があります※

※詳しくは担当医にお尋ねください※

※手術を当院で実施する場合と別医療機関への紹介となる場合があります※

 

【手術後の経過】

手術後は、一時的に結膜の充血が強くなります

次第に症状はおさまります

結膜を縫った糸が残っている間は、異物感なみだ目があります(抜糸すると症状は治まる)

吸収糸の場合は抜糸の必要はありませんが、非吸収糸の場合は、手術後約1週間で抜糸します

手術後早期は、角膜の表面が欠損していることがありますが、点眼や軟膏を用いた治療により、ほとんどがすみやかに治癒します

 

【翼状片の再発】

翼状片を手術で切除しても、5%程度の確率で再発します

再発した場合は、手術前よりも進行が速く、比較的短期間で(術後3~12か月くらいで)角膜に覆いかぶさってきます

再発した場合は、早めの手術が必要です

 

【再発に対する手術】

初回手術時よりもはるかに広い範囲の結膜を切除し、結膜下の増殖組織(テノン嚢)を十分に切除します

マイトマイシンCを使用し、他の部分の結膜をもってきて切除部を覆います

切除範囲が広くて自分の結膜で覆いきれない場合は、ドナー角膜(アイバンクの角膜)や羊膜などを移植することがあります

※目の状態などにより当院で手術を実施しない場合は別医療機関への紹介となります※

※症状や治療方法については個人差がありますので、担当医にお尋ねください※

 

 

翼状片は再発もある病気です

自己判断せずに、経過を定期的に診てもらうのがよいですね

 

参考文献

「眼科インフォームド・コンセント ダウンロードして渡せる説明シート」2018

監修 下村嘉一 編著 國吉一樹

 

2021/1/25

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME