まぶたの手術を考えている方へ(まぶたが下がる、逆さまつ毛が目に当たる)
まぶたの手術を考えている方へ(まぶたが下がる、逆さまつ毛が目に当たる)
「まぶた」(=眼瞼(がんけん))の形成外科手術を受ける方は年々増えているようです
まぶたは、顔の中で目立ち、その人の印象を決める重要な部位でもあるので、機能だけでなく、整容面での満足度が求められる手術でもあります
眼科的な手術では、加齢によって「上まぶたが下がってくること」(=眼瞼下垂(がんけんかすい))で、見えづらくなり、まぶたの手術をすることがあります
他に、逆さまつ毛の治療のために、まぶたの手術をすることもあります
まぶたの手術を決める時は、ダウンタイム(=腫れや出血がひいて元の日常生活に戻れるまでの期間)も含めた術後の経過を正しく理解し、受け入れてからが良いでしょう
※まぶたの手術は、当院で実施できるものと別医療機関への紹介となるものがあります※
※診察してみての判断となります※
【まぶたの手術~治療と経過~】
①診察、診断と治療方針の決定、手術の説明と決定
②術前検査(眼科的検査、血液検査など)
③手術(基本的には局所麻酔/日帰り手術)
④翌日診察(腫れは2日目がピーク、3~4日で落ち着いてくる)
(※以降の術後診察スケジュールは、受診している病院に確認してください※)
⑤5~7日後抜糸(まだ腫れは残っていて内出血も完全には吸収されていない状態)
⑥1か月後(腫れは半分以下)
⑦3か月後(ほぼ落ち着いた状態だが、多少の左右差が残る場合も)
⑧半年後(ほぼ完全に腫れがひき自然な違和感のない状態)
※症状や治療方法、術後経過については個人差があります※
※上記は目安なので、詳しくは担当医にお尋ねください※
【まぶたの手術のリスクと合併症は…❓】
①起こる可能性のある合併症
◎腫れ、皮下出血、血腫
◎感染(眼瞼ではまれ)
◎球後出血(極めてまれ)
…眼球の奥に血液がたまり、眼球を圧迫し激しい痛みが出る(緊急処置が必要になる場合がある)
◎左右差
…まぶたの手術で特徴的な合併症
どちらかの目の過矯正、低矯正、まぶたの開き具合の左右差、二重まぶたの幅など形状の左右差が、術後一時的に生じることも
多くの場合、時間の経過とともに落ち着いてくるが、半年から一年ぐらいかかる場合も
②糖尿病や高血圧などの基礎疾患があるとき、ステロイドや抗血栓薬(血をサラサラにする薬)を飲んでいるときは術前に担当医に確認する
③手術のリスク
局所麻酔でも、薬によるショックやアレルギーのリスクが全くないわけではない
④縫合糸膿瘍(ほうごうしのうよう)
まれだが、深部で縫った糸が炎症を起こして、抜糸が必要になる場合がある
⑤その他
ドライアイの症状が一時的に強くなる
なみだ目
まぶたの奥で引っ張られるような感じ
まぶたの違和感
などがあるが、通常は経過とともに改善される
⑥どうしても再手術や追加の修正手術が必要になることがある
すべて1回の手術で100%完璧で永続する結果を出すことは難しい
生来、人間の顔は非対称であり、加齢は進行性である
【手術後の注意点】
ダウンタイム(=腫れや出血がひいて元の日常生活に戻れるまでの期間)をより短くするためのセルフケア
①手術当日から3~4日
長時間うつむかない
大笑いや入浴などの顔面がうっ血するような行為を避ける
安静にする
目の周囲をよく冷やす
局所麻酔が切れて痛む場合は、消炎鎮痛剤を早めに服用
②抜糸後
抜糸をしても、手術の瘢痕(はんこん)が安定するまでは数か月かかる
特に術後1か月間は
目をこすらない
ハードなアイメイクをしない
コンタクトレンズを装用しない
など目に負担がかからないようにする
高齢化社会が進むことにより、加齢による眼瞼下垂や逆さまつ毛の手術を希望する方が増えてきています
保険適用で治療ができるようになっています
【まぶたの手術】について、
メリットやリスク、合併症などを理解した上で、検討していただけるといいと思います
「まぶたが下がるのは、歳だからしょうがない… 」とあきらめるだけではなく
【手術で改善できる方法がある】ということを知っていただけたらと思います
※まぶたの手術は、当院で実施できるものと別医療機関への紹介となるものがあります※
参考文献
【眼科インフォームド・コンセント ダウンロードして渡せる説明シート】2018
金芳堂 (監修)下村嘉一 (編集)國吉一樹
2020/11/2