眼瞼下垂(上まぶたが下がる)
眼瞼下垂(がんけんかすい)上まぶたが下がる
【眼瞼下垂】とは…
何かしらの原因で、上まぶたが下がり、黒目(角膜)が十分に露出できなくなる状態です
黒目の中心(=瞳孔)に上まぶたがかかってしまうと、見えづらくなります
(正常な人の目は、まっすぐ正面を見た時に、黒目(角膜)の上1/4から1/5程度、上まぶたが覆っている状態)
①先天性眼瞼下垂症
生まれつき、まぶたをあげる筋肉(=眼瞼挙筋(がんけんきょきん))が弱いか欠損している状態
もしくは、眼瞼挙筋を動かす神経に障害がある状態
普通は片側性(片目)だが、両側性の場合もある
Q:手術はした方がいいか?
A:瞳孔(黒目の中心)が隠れるような重度の眼瞼下垂はできるだけ早く、遅くとも2歳までに手術を受けた方がよい(弱視や斜位、斜視のリスクが高くなるため※別記事参照※)
低年齢で手術をする場合は全身麻酔が必要
※この手術は当院では実施しておらず別医療機関への紹介となります※
⇒先天性眼瞼下垂の診断を受けた場合は、定期検診をきちんと受けて、手術が必要かどうかの経過をみていきましょう
②後天性眼瞼下垂症
◇1 加齢による眼瞼下垂
加齢により徐々にまぶたが下がるもので、誰にでも起こる
程度には個人差がある
(症状によっては手術適応)
◇2 ハードコンタクトレンズの長期装用による眼瞼下垂
ハードコンタクトレンズを長期間使用したことが原因で眼瞼下垂が起こることがある
この場合は40~50歳代に発症する
(症状によっては手術適応)
⇒上記の眼瞼下垂症に対しての手術の術式はいくつかあります
詳しくは担当医にご相談ください
※当院で手術を実施しております※
※ただし、症状や目の状態などによっては、別医療機関への紹介となることがあります※
◇3 その他まれなもの
動眼神経麻痺などの神経性眼瞼下垂症
重症筋無力症などの神経筋接合部性眼瞼下垂症
ミトコンドリアミオパチーなどの筋性眼瞼下垂症
外傷性眼瞼下垂症
など
診断には、脳神経外科や内科的検査、診察が必要
※別医療機関への紹介となります※
③偽性眼瞼下垂症(ぎせいがんけんかすいしょう)
まぶたはきちんと開いているのに黒目が十分に露出せず、眼瞼下垂と同じ状態になることがある
加齢による皮膚のたるみ(=弛緩(しかん))や、顔面神経麻痺による眉毛の下垂などにより、上まぶたの皮膚が目の前に垂れ下がって、よく見えなくなる
(症状によっては手術適応)
※当院での手術適応かどうかは診察してみての判断となります※
※場合によっては別医療機関への紹介となります※
前述のように、眼瞼下垂症は加齢によっておこることもあります
そうすると、見えやすくするために、人は知らず知らずに工夫をし、
上あごを突き出して見やすくしようとしたり、(無意識に)頑張って上まぶたを上げようとするため、おでこに横のシワができることもあります
まぶたが下がってきても、「歳のせいだから仕方ない」と諦めずに、気になるようでしたら眼科受診をご検討くださいね
眼科での眼瞼下垂症の手術は保険適用の手術です
まぶたの手術についてはこちらをご参照ください
参考文献
【眼科インフォームド・コンセント ダウンロードして渡せる説明シート】2018
金芳堂 (監修)下村嘉一 (編集)國吉一樹
2020/11/4