ものもらい(麦粒腫)とめばちこ(霰粒腫)
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ものもらい(麦粒腫) と めばちこ(霰粒腫)
「ものもらい」と「めばちこ」は見た目は似ていますが違う病気です
ちなみに、麦粒腫や霰粒腫は医学用語です
見た目だけだと、なかなか見分けがつきにくいこともあります
ほうっておくと良くない場合(子どもの場合、高齢者の場合など)もありますので、
それぞれの違いを確認して、眼科受診の参考になさってくださいね
【ものもらい(麦粒腫(ばくりゅうしゅ))】
まぶたに並んでいる涙腺(るいせん)に細菌などが感染して起こるもの
赤く腫れて痛みを伴う
まぶたの深いところにある涙腺(マイボーム腺)に感染したのを
「内麦粒腫(ないばくりゅうしゅ)」という
感染なので、抗菌薬の点眼が有効
【めばちこ(霰粒腫(さんりゅうしゅ))】
まぶたに並んでいるマイボーム腺(※1)が閉塞して脂がたまり、しこり状になるもの
痛みは伴わない
さわるとコリコリと丸く、表面はなめらか
めばちこ(霰粒腫)に細菌が感染すると赤く腫れて痛くなる(=「急性霰粒腫」)
自然につぶれることが多いので、抗炎症点眼薬や抗菌点眼薬の併用で経過をみることが多い
あまりに大きいときは切開することも
切開はまぶたの表から切る場合と裏から切る場合とある
切開しても再び脂がたまり再発することもある
子どもの場合は、しこりが大きくなり目が開きづらいほどになると弱視の原因になるので切開する
(じっとしていられないので、全身麻酔が必要になり、入院して手術になる)
※切開の適応となった場合は当院でも実施できます※
※ただし、お子さんで全身麻酔が必要となる場合や当院での対応が難しい場合などは、別医療機関への紹介となります※
(※1)マイボーム腺
=まぶたの縁に並んでいる油を出す涙腺
涙腺から涙は分泌されており、涙は脂質(=あぶら)、水分、ムチンの三層になっている
【高齢者の「ものもらい」「めばちこ」の注意点】
高齢者の「ものもらい」や「めばちこ」は癌の可能性があることも
急に大きくなり、表面がザラザラときたない場合や出血を伴う場合は特に注意が必要
この場合は、切除して検査をし、癌か否かを診断する
まぶたの癌は、眼科よりも形成外科で検査や治療を行うことが多い
※場合によっては別医療機関への紹介となることがあります※
ものもらい(麦粒腫)とめばちこ(霰粒腫)が違うものだと知っていると
眼科受診の時に病名を言われても、すんなり理解できるかもしれませんね
どうも混同してしまいがちですよね
参考文献
【眼科インフォームド・コンセント ダウンロードして渡せる説明シート】2018
金芳堂 (監修)下村嘉一 (編集)國吉一樹
2020/10/28