光視症
光視症(こうししょう)
光視症とは、実際には光がないのに、光って見える現象です
「音のしない夜の雷のようなもの」
「ピカピカひかる」
など多彩です
これは、目の中のゼリー状組織(硝子体)がゆれたときに、それが網膜に癒着しているところで網膜を引っ張るから起こると言われています
網膜とは、眼球の内側に張りついている神経でできた膜組織で、光を感じてそれを電気信号に変換する役割をしています
しかし、物理的な力が加わっても電気信号は発生し、光って見えます
例えば、目を強くぶつけると「目から火花が出る」と言いますが、これも光視症の一種と考えられているそうです
光視症は、ゼリー状の組織である硝子体が溶けて縮んだ時(=後部硝子体剥離(こうぶしょうしたいはくり))に硝子体が動きやすくなり起こりやすくなります
これは、加齢に伴って起きる生理的現象であり病気ではありません
光視症と飛蚊症は同じ時期に起こることが多いです
光視症は、たいていは生理的なもので心配はありません
もし、光視症が繰り返し起こるようであれば、何らかの病気が原因になっているかもしれませんので、眼科を受診してください
同時期に飛蚊症もでている場合、飛蚊症にも生理的なもの、病的なものがあり、それがどちらなのかは自己判断できないので、眼科受診をおすすめします
通常の光視症のほかに、「ギザギザの線や光のかたまりのようなものが点滅して見える」場合があります
多くは視野の一定の場所に始まり、次第に明瞭になり広がって、10分ほどで消滅します
これは【閃輝性暗点】(せんきせいあんてん)と言います
閃輝性暗点が消えると、まもなく頭が痛くなることが多いです(片頭痛、偏頭痛)
偏頭痛の多くは脳の血管が拡張して起こる、生理的なもので心配ありません
しかしまれに、脳の血管異常や脳腫瘍が原因のことがあるので、閃輝性暗点や偏頭痛が頻繁に起こるようであれば、脳外科を受診してください
そのほか、網膜の病気(網膜色素変性やAZOOR(アズールもしくはエイゾール)など)で視野の一部がキラキラ光って見えることがありますが、原因はわかっておらず、よい治療法はないようです
もし、【光視症】が気になって眼科受診をする場合は、散瞳検査(さんどうけんさ)といって、瞳孔を目薬で大きくして、眼底部を詳しく見る検査が行われる可能性があります
検査により目が散瞳状態になりますと、その間(4~5時間)は光がまぶしく感じたり、近くが見えづらくなります(いつもと見え方が変わります)
お帰りの際は、自転車、バイク、車などの運転ができなくなりますので、ご注意ください
参考文献
【眼科インフォームド・コンセント ダウンロードして渡せる説明シート】2018
金芳堂 (監修)下村嘉一 (編集)國吉一樹
2020/09/14記