角膜混濁(角膜(黒目)のにごり)
角膜混濁(角膜(黒目)が濁る病気)
目の「黒目」の部分を【角膜】(かくまく)といいます
(黒目=角膜ではなく、黒目を覆っている膜が角膜です)
ここでは、角膜が濁る(にごる)病気について説明します
【角膜混濁(かくまくこんだく)とは?】
角膜とは、黒目の皮で、光が目に入るのに最初に通過する膜です
光が通過するためには、角膜は透明である必要があります
角膜が濁ってしまうことを【角膜混濁】といいます
角膜が濁ってしまうと、視力が低下するほか、痛みを伴うことがあります
【角膜とは?】
透明な膜で、血管がない組織(=血管がないので、角膜移植の成功率が高い)
直径は成人でだいたい10~11㎜
厚さは正常な人の平均は、中央で0.8mm、周辺で1mm
眼球のうちで最大の屈折力を持つ(屈折力約43D)
5層からなる(角膜上皮、ボーマン層、角膜実質、デスメ層、角膜内皮)
角膜の一番内側の角膜内皮には角膜内皮細胞が並んでいる
角膜内皮細胞は一旦ダメージを受けると回復できない
角膜内皮がダメージを受ける=角膜がくもる
栄養は角膜周囲の血管網、房水、涙からうけている
痛覚と冷覚がある
【角膜混濁の原因とは?】
角膜混濁の原因は以下のように大きく分けることができます
①感染やアレルギーによる炎症
②遺伝性の病気(ジストロフィなど)により生じる角膜沈着物による混濁
③角膜のキズが治ったあとの混濁
④角膜の腫瘍(しゅよう)[上皮性腫瘍(じょうひせいしゅよう):角膜の表面の細胞の異常増殖]による混濁
⑤【水泡性角膜症】(すいほうせいかくまくしょう)による混濁
などです
角膜は「黒目」というのに、透明だとは驚きですよね
角膜の「にごり」は病気のサインかも知れません
放置せず、眼科受診をご検討くださいね
※症状や治療方法などによっては、当院から別医療機関へ紹介となる場合があります※
参考文献
「眼科インフォームド・コンセント ダウンロードして渡せる説明シート」2018
監修 下村嘉一 編著 國吉一樹
「眼科コメディカルのための眼科学ガイド」2005
編集・発行 社団法人 日本眼科医会 眼科医療従事者委員会
2021/2/4