結膜炎
結膜炎(けつまくえん)
結膜とは、白目の皮のことで、上下まぶたの裏側と眼球の表面を被う薄い透明な膜のことです
まぶた(眼瞼)と眼球を結びつけているので、結膜です
まぶたの裏は、眼瞼結膜(がんけんけつまく)と言い、白目のところは、眼球結膜(がんきゅうけつまく)と言います
(結膜の膜の下に見えているのは、強膜(きょうまく)で、これは、白色不透明な膜です)
結膜に起きている炎症が、「結膜炎」です
【結膜炎の症状】
結膜(白目)が充血する
結膜(白目)がむくむ(=結膜浮腫けつまくふしゅ)
眼脂(目やに)が出る
痛い
かゆい
(重症になると)炎症が角膜(黒目)に及んで視力が低下することがある
※結膜炎の多くは、急に発症して、治療により治ります
※中には、慢性的に続く結膜炎や重症の結膜炎もあります
【結膜炎の種類】
〇細菌性結膜炎
〇ウィルス性結膜炎
〇アレルギー性結膜炎
〇春季カタル
〇重症の結膜炎(結膜の充血や目やにがひどい重症の結膜炎)
〇慢性的に続く結膜炎(鼻涙管閉塞(※1)が原因となる結膜炎)
〇なみだ目の症状が普段からある場合には
もし結膜炎がない時にも、なみだ目が気になるときは目から鼻涙管が通っているかを
眼科の検査(通水検査)で調べてみます
鼻涙管が通っていれば(=鼻涙管閉塞がないなら)、抗菌薬点眼薬で治療
鼻涙管閉塞があれば、鼻涙管閉塞に対する治療が必要です
(※1)鼻涙管閉塞
鼻涙管は涙の通り道のひとつです
涙は、目から、涙点⇒涙小管⇒涙のう⇒鼻涙管⇒鼻腔と、鼻の奥に抜けていきます
鼻涙管が詰まっていると、涙が鼻に抜けることができず、涙があふれたり、なみだ目
になります
涙の通り道が詰まること(鼻涙管閉塞すること)で「なみだ目」の症状がでます
また、涙の通り道にある【涙のう】で細菌感染を起こすと「目やに」の症状がでます
などがあります
それぞれ治療方針が異なりますが、初期症状が似ているため、診断が難しいことがあります
そのため、結膜炎が治りにくい場合は、治療方針が変わることがあります
一言で、結膜炎といってもいろいろ種類がありますね
種類によっては、治療方法が違う場合がありますので、ご自身がどの結膜炎なのか知ることも大切ですね
参考文献
「眼科インフォームド・コンセント ダウンロードして渡せる説明シート」2018
監修 下村嘉一 編著 國吉一樹
「眼科コメディカルのための 眼科学ガイド」2004
編集・発行 社団法人 日本眼科医会 眼科医療従事者委員会
2020/12/15