帯状疱疹に伴う角膜炎~角膜ヘルペスとの違い~(後編)
皆様こんにちは
【帯状疱疹に伴う角膜炎】についてのお話の後編です
今回は、具体的な症状や治療法、予後についてお話します
水痘・帯状疱疹ウィルスにより、目に炎症が出る例としては、
角膜炎(角膜ヘルペスと同じく角膜上皮や角膜実質に病変が出る)
白目の炎症(結膜炎、強膜炎)
目の中の炎症(ぶどう膜炎・網膜炎)
眼圧上昇(続発緑内障)
神経の炎症(視神経炎・眼筋麻痺)
などです
病変によって異なりますが症状としては、
充血・異物感・眼痛・まぶしさ・視力低下
などです
帯状疱疹に伴う角膜炎の治療と予後については、
水痘・帯状疱疹ウィルス角膜炎の治療は、抗ウィルス薬とステロイド薬を比較的早期から併用します
皮膚に帯状疱疹を発症した場合は、皮膚科の受診も必要です
(※重症度に応じた抗ウィルス薬の全身投与(内服や点眼)が必要となることがあるためです)
眼科では、必要に応じて目の炎症に対する治療を行っていきます
目の炎症は、皮疹が治った後に出てくることが多いため、
帯状疱疹のあと目に異常を感じたら早めに眼科を受診するようにしてください
水痘・帯状疱疹ウィルスによって引き起こされる目の中の炎症は、
単純ヘルペスウィルス(←角膜ヘルペスの原因となるウィルス)によるものよりも
強い傾向があるようです
予後は病変が出た部位、炎症の程度、治療開始までの期間などによりますが、
角膜の上皮病変が悪化することはまれのようです
角膜ヘルペス と 水痘・帯状疱疹ウィルスに伴う角膜炎 という
似ているけれど違う病気もあります
わからないことは、担当医にお尋ねくださいね
ご自身の納得のいく治療ができますように
※当院でも治療を行いますが症状や治療方法などにより別医療機関への紹介となる場合があります※
金沢文庫アイクリニック 稲澤
参考文献
「眼科インフォームド・コンセント ダウンロードして渡せる説明シート」2018
監修 下村嘉一 編著 國吉一樹