白内障の知識④白内障手術の歴史
皆様こんにちは(^^)
白内障手術について、どんなイメージをお持ちですか?
まわりの方で、経験者の方がいることもありますよね
「目」の手術なので、怖いというイメージを持っている方もいらっしゃるかと思います
白内障手術は、今日の日本では、眼科の手術の中でもっとも件数が多いポピュラーなものです
白内障とは、眼球の中にある水晶体(=目をカメラに例えるとレンズの役割)が混濁して視力障害をきたす疾患です
当院でも、白内障手術の「水晶体乳化吸引術および眼内レンズ挿入術」を行っています
つまり、濁った水晶体を取り出し、水晶体の代わりに眼内レンズを目の中に入れるという手術です
そんな白内障手術、以前はどのようなものだったのか気になりませんか??
どんな治療・手術にも歴史ありです!(^^)!
〇古代インドで行われていた白内障手術
白内障はとても古くからある病気です
古代インドでは、目の中に細い針を突き刺したり、拳で衝撃を与えたりして
視力低下の原因になっている、濁った「水晶体」を目の奥に押し込み
眼球の中に落としてしまうというものだったようです('Д')
眼球の中には「硝子体」というゼリー状の物質が詰まっているので、水晶体はその中に沈み込むように落ちていくようです
これにより、濁りがとれて光が通るようになるため、ピントは合わなくてもモノは見えるようになります
ただ、当時の衛生環境や医療状況を考えると、手術後に感染症などを併発して失明した人も多かったと考えられているようです
かなりリスクが高い方法のように思えますね
というか怖いですよね( ;∀;)
〇1750年ごろ~目の一部を切り取って、水晶体とまわりの組織を一緒に取り出す「水晶体全摘出術」が行われるようになりました
この方法では、手術で水晶体を取り出すことで、ピントが合わなくなるのを補うために、
白内障手術後に、分厚い眼鏡が必要不可欠になります
〇1970年代後半になると、さまざまな技術が発達して、安全に「眼内レンズ」を移植することが可能になってきました?
濁った水晶体を手術で取り出したかわりに、眼内レンズを入れることで、分厚い眼鏡をしなくても、
ものを見ることができるようになります
☆「眼内レンズは何故生まれたか?」は別ブログで書きますね☆
それ以前は、水晶体とその周辺組織をまるごと摘出する手術だったのが、水晶体を包む「嚢(のう)」という膜を残す方法が開発されて、
嚢の中に眼内レンズを装着することで、眼内レンズをより安定して固定できるようになりました
〇今から30年ほど前までは、嚢を大きく切って(水晶体の)核を取り出す手術(=水晶体嚢外摘出術)でしたが、
超音波乳化吸引術という画期的な方法が開発されてからは、目への負担が軽くすむようになりました
※水晶体嚢外摘出術
傷口が大きくなり縫合の必要があるため、手術後に乱視や合併症がでたり、視力回復に時間がかかったりするなどの問題がある
※超音波乳化吸引術
角膜を小さく切開し、そこから超音波チップという器具を挿入して濁った(水晶体の)核を砕き、それを吸い取るやり方
傷口が小さくてすむため縫合の必要もなく、目への負担が軽くすむ
現在、世界中で、もっとも広く行われている白内障手術法
眼内レンズの装着が保険診療で認められるようになってから、まだ約30年ほどしかたっていないようです
それが今日では
単焦点眼内レンズ(保険診療)、多焦点眼内レンズ(選定療養や自由診療)と
更に選べる時代になっています
白内障になったから手術を受ければいい、というだけでなく
自分にとってのよりよい手術、どんな眼内レンズを入れるかを選べるようになっていることは
ありがたいことのように思います(^^)
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参考文献
「手術法とレンズで選ぶ 白内障治療」
著者 市川一夫
発行 株式会社幻冬舎メディアコンサルティング
2013