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緑内障ってどんな病気??③~急性緑内障発作~

[2020.09.01]

緑内障ってどんな病気??③~急性緑内障発作~

 

皆様こんにちは

金沢文庫アイクリニック 検査員 稲澤です

 

今回は、急性緑内障発作について詳しくお伝えします

 

白内障の検診などで、眼科を受診した際に

「白内障が進行してきたので、急性緑内障発作のリスクがあります。発作を予防するために、白内障の手術をお考えください」と言われる方がいます

 

白内障があっても、自覚症状として「見えづらさ」がなければ、なかなか手術に踏み切れない方も多いのではないでしょうか?

見えなくて困っていないのに、手術なんてしたくない…と思うのは、もちろんだと思います

 

当院でも、白内障の手術のタイミング=見えづらくて不便がでてきたら、が基本です

ですが、目の状態により、当院から白内障の手術をお勧めする場合があります

その一つが、急性緑内障発作を予防するための、白内障手術なのです

緑内障なのに、白内障手術??とややこしいですよね

 

急性緑内障発作を予防するために、どうして白内障手術が必要なのでしょうか?

その理由をお話します

 

~遠視、近視、白内障と隅角(ぐうかく)(=角膜と虹彩(こうさい)の間の房水の排水口)~

遠視の方…眼球サイズ小さい  隅角狭い

近視の方…眼球サイズ大きい  隅角広い

白内障で眼の中の水晶体が厚くなる→虹彩(こうさい)が押されて隅角狭くなる

 

隅角が狭くなると、目の中を循環している房水が排出しづらい、排出されずに眼圧が上がってしまいます

眼圧上昇により目の奥の視神経に障害を起こす(=視力低下、視野狭窄)のが緑内障です

それが急激に、突然起きるのが、急性緑内障発作です

遠視の方は、もともと隅角が狭く、白内障の進行により更に隅角が狭くなっていき、うつむき姿勢など何らかの原因で急に隅角が閉じてしまう→→→急性緑内障発作となるのです

 

もともと遠視の方で白内障がある方は急性緑内障発作のリスクが高いのです

(急性緑内障発作のリスクが高いかは、検診でわかります)

 

白内障の進行により狭くなってしまった隅角を広げるのには、白内障の手術が有効になります

なぜなら、白内障の手術で眼内に入れる人工レンズはもとの水晶体よりずっと薄いからです

白内障の手術をすることで、急性緑内障発作のリスクが下げられるのです

 

隅角が急に閉塞し、急性緑内障発作が起きると、

突然に、眼痛、頭が割れるように痛い、眼が赤くなる、視力低下、嘔吐

「かすみがかったように見える」「電灯などの光に輪がかかったように見える(=虹視庄)」

などの症状がでます

万が一、発作が起きたら、すぐに眼科を受診してください

発作により視力低下が起きた場合、治らないことがあります

 

急性緑内障発作は、起きる前の予防が大切です

レーザー治療か、早めの白内障手術になります

 

もし、「急性緑内障発作のリスクがあるので、早めの白内障手術をお考えください」と言われたら、「まだ見えるし、白内障手術なんて嫌だな」と頭から否定せずに、先生の話をよく聞いてご検討ください

 

以上で、緑内障ってどんな病気??シリーズは終わります

ここまでお読みくださりありがとうございました

シリーズ①と➁はこちらから

緑内障ってどんな病気??①

緑内障ってどんな病気??➁

 

参考文献【眼科インフォームド・コンセント ダウンロードして渡せる説明シート】2018

     金芳堂 (監修)下村嘉一 (編集)國吉一樹 

 

 

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