帯状疱疹に伴う角膜炎~角膜ヘルペスとの違い~(前編)
皆様こんにちは
今回は、【帯状疱疹(たいじょうほうしん)に伴う角膜炎】についてのお話をします
帯状疱疹に伴う角膜炎は、角膜ヘルペスに似ている病気です
帯状疱疹は、幼少期に感染した水痘・帯状疱疹ウィルスの再帰感染(さいきかんせん)によって起こります
水痘・帯状疱疹ウィルスはヘルペスウィルス属の一種です
普段は全身の神経に潜んでいるため無症状(=潜伏感染)ですが、
体調不良やストレス、ステロイド薬の使用などによる全身的な免疫抑制状態などがきっかけとなり、水痘・帯状疱疹ウィルスが再活性化すると、
突然、体に痛みを伴う皮疹が出てきます(=再帰感染)
皮疹が顔面に出てきた時、特に鼻の先まで広がった時には、目にも炎症が出る可能性が高くなります
帯状疱疹に伴う角膜炎では、角膜ヘルペスと同じく角膜上皮や角膜実質に病変が出ます
(参考コラム)
角膜とはそもそも何?
角膜とは、黒目の皮で、光が目に入るのに最初に通過する膜
光が通過するためには、角膜は透明である必要がある
透明な膜で血管がない組織
5層からなる(角膜上皮、ボーマン層、角膜実質、デスメ層、角膜内皮)
角膜の一番内側の角膜内皮には角膜内皮細胞が並んでいる
角膜内皮細胞は一旦ダメージを受けると回復できない
角膜内皮がダメージを受ける=角膜がくもる
栄養は角膜周囲の血管網、房水、涙からうけている
痛覚と冷覚がある
次回、帯状疱疹に伴う角膜炎~角膜ヘルペスとの違い~(後編)では、
具体的な症状や治療法、予後についてお話しますので、よろしければご覧ください(^^)
帯状疱疹に伴う角膜炎~角膜ヘルペスとの違い~(後編)につづく(5/25(火)AM8:30更新)
金沢文庫アイクリニック 稲澤
参考文献
「眼科インフォームド・コンセント ダウンロードして渡せる説明シート」2018
監修 下村嘉一 編著 國吉一樹